鋼の錬金術師 #47

ここが落ち着く


まあ、いい歳扱いてアニメを語る自分ってのもどうかなとは思うのですが、面白いんだから仕方がない。
キャラ萌え〜とかの腐女子的愛着ではないので、識者の方々にはご勘弁いただきたい。でも、携帯のストラップにアルが付いている事はみんなには内緒。


で、「ホムンクルス封印」ですが・・・ヤバイです。
薄々と人間的感情に侵されているラスト、スロース。彼女達の台詞は痛い。
「例えこの記憶が術者の想いが焼き付いているだけだとしても、私は・・・」
ホムンクルスとして錬成される前の魂の記憶。自分がまがい物の錬成物だとしたら、これは自分の記憶では有り得ない。だからといって、衝動とも言えるかもしれないこの記憶を排除してまで生きる事ができるのか?
この部分でラストとスロースは行動原理を異なるモノとしてしまう。
ラストはスロースに「その記憶に気づいた時、地獄の苦しみを味わうのは貴女よ。」と、自分の経験に基づいた忠告をする。
しかしスロースは既にその事実に至り、そしてその先を考えていた。
兄弟の母親である記憶。その記憶が在るが故に兄弟を愛してしまいそうになる自分。だが自分は兄弟によって錬成された存在であり、自分がここに存在する事こそが、兄弟の罪そのものなのだ。どう転んでもその存在は「母親」足り得ることはできない。だからこそ彼女は錬成された目的を否定する事を目的とする。その手段は兄弟の死。


こんな事を言ってはぶち壊しだが、所詮は絵空事である。
しかし、現実の記憶にしても、どこまでを自分の記憶と認識できるのか?
ディック的世界だが、今自分が信じている事が信じるに足る事だということを貴方はどうやって信じるのですか?
さすがに「コギト・エルゴ・スム」とか言って、デカルトやカントから始める事は私にはできない。
どなたか哲学的思考能力に富んだ方にお任せして、私は一アニメファンとして楽しむだけにしておきます。


そしてラストの「そうか、私は死にたかったのか・・・」と、ラースの「人間になったら死ぬだけか・・・」を対比することは、この手の話を語る上での必須基本テーマですが、これを見せる為にラストを殺してしまうのですか?最後の決戦時のキャスティング的に少し勿体ないなぁ。う〜ん、でもヒューズもそうだし、この話の中では仕方ないんだろうなぁ。


あ、それと最後のカットのウィンリィの微笑みですが・・・
亜姫さんはエンビーと予想していらっしゃいます。
う〜、私は本人に100カノッサ。でも、意味が通らないな?母親との決別を実行したエドへの祝福?いやいや、やはりここでエンビーを加える事でラースとの戦いに持っていった方が、最終回に向けての残り回数を考えると妥当かな・・・
次回サブタイトルは「さようなら」。
あぁ、これはまたキツイ話になるかもしれない予感。